「里山のごちそう」3月のレシピは、寒い冬にぴったりの「ほうとう」です。
長野県の豊かな自然の恵みを活かした郷土料理のひとつに、「ほうとう」があります。ほうとうといえば山梨県が有名のようですが、長野県でも昔から親しまれてきた料理のようです。今回は、地元の地粉を使って手打ちした、信州ならではのほうとうの魅力をご紹介します。
ほうとうとは?
ほうとうは、小麦粉を練って作る太めの平打ち麺を、野菜やきのこなどと一緒に煮込む料理です。信州では、地粉を使うことでしっかりとしたコシと風味のある麺に仕上がります。特に寒い季節には、体を温める栄養満点の一品として親しまれています。
一般的には山梨県の名物として知られていますが、長野県を含む甲信地方でも昔から食べられていました。
ほうとうの歴史と長野県との関係
ほうとうのルーツには諸説ありますが、戦国時代に武田信玄が陣中食として食べたとされることから、特に山梨県で発展しました。しかし、「ほうとう」という名前がついていなくても、長野県を含む甲信地方では似たような麺料理が古くから親しまれてきました。
長野県の「お切り込み」との関係
実は、長野県には「お切り込み」という、ほうとうに似た郷土料理があります。幅広の手打ち麺を野菜やきのこと一緒に煮込む点がほうとうと共通しており、地域によっては「ほうとう」と呼ばれることもあります。
東信地域ではあまり聞かない名前ですが、中南信地方では馴染み深い料理です。
また、長野県は全国有数の小麦の産地であり、地粉を使った郷土料理が数多く存在します。特に、味噌仕立ての煮込み麺文化は長野県でも根付いており、寒い地域ならではの温かい料理として親しまれています。
ほうとうと雪の日
子供のころ、うどんといえば味噌仕立てが主流だった気がします。
今回のほうとうも、地粉のもちもちとした食感と味噌のコクが合わさり、心も体も温まる一杯になりました。
実はこの次の日、思いがけず今シーズン一番の雪が降り、一面銀世界に。冷え込む日にぴったりのほうとうで、より一層温まることができました。
ぜひ皆さんも、地元の地粉を使ってほうとうを作ってみてください。
心も体もきっと温まること間違いありません。
次回、4月の「里山のごちそう」もお楽しみに、春らしい一品を考えています。